2017/05/19
95歳の男性で、高血圧症、糖尿病で通院中の方です。
食物を飲み込むのがうまくいかず、時々鼻から食物が出てくるとのことです。以前に中核病院のリハビリ科に紹介したこともある方です。
通常、嚥下時には口腔の天井の奥の方の軟口蓋という部分が拳上し鼻咽腔を閉じるので、食物は鼻から出てくることはないのです。高齢になると嚥下に使う筋肉が弱くなり、飲み込もうとしているうちに鼻咽腔が開いて鼻から出てきてしまうのでしょう。でも患者さんは最近飲み込むコツを覚えたようです。鳥がエサを飲み込む時のように嚥下時に首をスッと伸ばすのだそうです。そうすると飲み込みやすいとのことでした。首を伸ばすことで食物が咽頭に流れ、飲み込みやすくなるのだと思います。患者さんもいろいろ工夫しているようです。