2017/12/12
先日、18歳の女性が発熱、咽頭痛、頸部リンパ節腫大、嘔気、食欲不振、眼瞼浮腫を主訴に当院を受診しました。
頸部リンパ節はおたふくかぜと間違えるような腫大でした。このような症状の場合、EBウイルスによる伝染性単核症を考慮しなければなりません。EBウイルスは幼少の時期に感染するとほとんど症状がでませんが、思春期以上になってから感染するとかなり強い症状を起こすことがあります。15~24歳に多くみられるようです。このウイルスは白血球の中のリンパ球に感染するので、血液中のリンパ球上昇、リンパ節腫大、肝脾腫を起こします。上記の患者さんもリンパ球上昇や、肝脾腫がみられました。この患者さんでみられた眼瞼浮腫もよくあるとのことです。病気からの回復は2~3週間ですが、長引く方もいらっしゃるようです。当院では大事を取って血液内科に紹介しました。
尚、EBウイルスはヘルペスウイルスの仲間で大人の9割が抗体を持っています。ウイルス保有者の唾液などから感染するようです。